カルシウム教室

カルシウムについての「なるほど情報」を紹介します。
順次更新しますのでお楽しみに。

虫歯の予防とカルシウムの関係(1)

しつもん

夏も本番になったね。毎日暑くて暑くてたまんないよ。こんな日は冷たいジュースを飲んだり、アイスクリームを食べるのが一番嬉しいや。でも、甘いものばかり食べていると、虫歯が心配なんだよなあ......。
ねえおばあちゃん、歯を丈夫に保つ秘訣ってなあに?

歯の健康を損なう原因(1)ミュータンス菌

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その前に、歯の健康を損なう原因について考えてみようかね。
おチビは、虫歯が怖いと言っていたけど、そもそもどうして虫歯になってしまうのか、分かる?


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えーと、口の中にいるバイ菌が歯を食べちゃうんじゃないかな?

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その通り。そのバイ菌の事をミュータンス菌と言うのよ。
ミュータンス菌は、普段は口の中をふよふよと漂っているだけなんだけど、食事などにより歯に糖分がつくと、歯に貼り付いてそれを食べ出すの。


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あれ?糖分を食べるの?歯を食べるんじゃないの?


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そうなの。ミュータンス菌が好きなのは糖分で、歯じゃないのよね。じゃあ、どうして虫歯になるのか。

歯に貼り付いて糖分を食べたミュータンス菌は酸を出すの。その酸に歯のエナメル質が溶かされる。これが虫歯と呼ばれるものなのよ。


ところでおチビ、虫歯の原因となるミュータンス菌は、一体どこから来るか知っているかい?


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うーん、空気中を漂っているとか?


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残念ながら不正解ね。
ミュータンス菌は人から人へ感染するのよ。
実は、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはミュータンス菌は存在していないの。乳歯が生えて離乳食が始まり、親が口で噛み砕いて食べさせたり、口移しで食事を与えたりする事によって、徐々に感染して行くのね。
そして重要なのは、一度ミュータンス菌に感染してしまうと、減らすことはできていも完全に追い出すことは難しいという事ね。


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うわわわわ......。人から人に感染って、なんだかパニック映画みたいだなあ。


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ある意味では、確かに怖い事よね。
でも現実的にミュータンス菌を一生口の中に入れないように生きて行くのは大変な事だから、入ってきたミュータンス菌とうまく付き合う事が大切なんじゃないかしらね。
ところで、歯の健康を損なう理由、他にもあるって知ってる?実は、こっちの方が歯を失う原因としては多いのだけど。


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え......
虫歯より怖い事があるの?怪我とか?


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ははは、さすがに怪我じゃないわよ。
じゃあ、もう1つの原因については来週またお話しようかしらね。


こたえ

歯の中身はどうなっている?


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歯の構造は、簡単に模式化すると上記のようになります。



エナメル質
歯の外殻となるエナメル質は、人体の中で最も硬い組織ですが、同時にもろいという特徴も併せ持っています。成分のほとんどはハイドロキシアパタイトという物質であり、これはリン酸カルシウム水酸化カルシウムの複合体です。


象牙質
歯の主体となる組織です。エナメル質に比べて柔らかいため、ミュータンス菌などによりエナメル質が溶かされてしまった場合、象牙質への侵食は急速に広がります。


神経(歯髄)
ここには組織の他に血管やリンパ管も通っており、歯への栄養補給の役割も担っています。侵食が神経まで到達すると、痛みが伴います。


歯肉
歯を柔らかく覆っている部位。一般には歯茎と呼ばれています。歯肉とエナメル質の間には微細な溝があり、歯肉溝と呼ばれます。これがいわゆる「歯周ポケット」で、ここにゴミなどが溜まると歯周病の原因にもなります。


歯槽骨
歯を支えている顎の骨です。歯周病などによりこの骨が大きく侵食されてしまうと歯を支える土台が緩み、歯がぐらぐらになってしまいます。

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