ねえ、おばあちゃん。最近テレビで風疹が流行っているってしきりに放送しているでしょ？
風疹の予防には、予防接種を受けるのが効果的だって言っていたけどさ、どうして予防接種を受けると風疹にかからなくなるのかなあ。

あらあら、テレビのニュースを見るなんて、おチビも結構社会派だねえ。感心感心。
じゃあ、今日からは免疫の事について説明しようかね。

私たちの体は、普段は当たり前のように健康を維持しているように見えるけど、実は、絶えず外から入って来る細菌や異物などの敵と戦っているのよ。

えっ、病気にかかる時だけ戦っているんじゃないの？

ところがそうじゃないのよ。体は日々戦っているのよ。
そんな風に、健康な体を維持するため、外から侵入する細菌や異物と戦っている体の用心棒にあたるのが免疫という仕組みなの。
その昔、ジェンナーという人が種痘の実験で明らかにしたのよ。
免疫の「疫」という字は、コレラやチフスや天然痘のような伝染病の事を指すのね。そして、これを免れる事こそが免疫という言葉の意味。
つまり免疫とは、恐ろしい伝染病からまぬがれる仕組みで、一度かかった病気なら二度目にかかってもこれに打ち勝つことができる不思議な生命の力が得られる事を言うのよ。

ジェンナー以降、恐ろしい伝染病に打ち勝つ方法が次々と発見されたの。これが今、どういう形で社会の役に立っているか。テレビを見ていたおチビならわかるわよね？

あっ、もしかして、それが予防接種なの？！

正解、その通りよ。
ジェンナーの実験をきっかけに、人の体に免疫作用がある事が発見され、それが今、予防接種という形で人々の健康を守っているのね。

ところで、人の体に、外から細菌やウィルスが入ってきた時、人の体はどうやってそれを抑えているのか、興味がわかないかい？

そんな風に聞かれたら、そりゃあ興味あるって答えるに決まってるじゃないか。

ははは、そうね。
じゃあ来週は、その事についてお勉強しようね。